Webサイトや個人ブログなどWordPressは初心者でも手軽に費用を抑えてサイトを構築・運用できる便利なツールですが、運用の手間やセキュリティリスクがあるため、「ワードプレスはやめた方が良い」と言われることがあります。
本記事では、私が実際にサイト制作や保守を行ってきた経験をもとに、WordPressの魅力とそのリスクについて詳しく解説します。
特に、企業サイトや重要なサイトを安全に運用するために、ぜひ知っておいてほしいポイントをお伝えします。
- WordPressでサイト運用するか迷っている
- WordPressはやめた方が良いという噂を聞くのでその理由を知りたい
- WordPressを使うリスクや費用について知りたい
- WordPressサイト運用で気を付けておくべき点を知りたい
- WordPress以外の他の選択肢はあるのか知りたい
WordPress運用の驚くべき実態
企業サイトのセキュリティ、意外と危ない?
Webデザイナーとして働いている私ですが、WordPressサイトの点検作業も行っています。
そこで驚くべき事実があるので、先にお伝えしたいと思います。
個人でWordPressを運用している場合
- 自分のサイトに頻繁にアクセスしている
- なにか問題が見つかればすぐに調査、更新、対策をしている
企業サイトの場合
- 信頼性が求められるのに、意外と更新が滞っているケースが多い
- 個人ブログよりアクセスが多く、個人情報を扱うこともあるのに脆弱性が放置されたまま、開発終了したプラグインなどそのまま使われていることもある
この状況には正直驚きました。
もちろん、すべての企業サイトがそうではありません。
でも、不動産、美容室、学校、さらには ウェブ関連のIT企業ですら、この問題を抱えていることがあります。
「じゃあ、企業の管理者はWordPressにログインすらしていないのでは?」
そう思うかもしれませんが… コンテンツの更新は定期的に行われているんですよね。
それなのに、なぜセキュリティ対策だけ後回し になってしまうのか…。
WordPressとは?特徴とその魅力
WordPressは世界中で利用されている人気のウェブサイト作成ツールで初心者からプロまで幅広いユーザーに愛用されています。
WordPressは「オープンソース」として提供されており、基本的に無料で利用できるのも大きな魅力のひとつです。
WordPressの魅力は主に次の通りです。
- 直感的な操作
専門的な知識がなくても、直感的な操作で簡単にウェブサイトを作成できます。 - 豊富なプラグインとテーマ
デザインテーマやプラグインが豊富に揃っているため、初心者でもサイトの外観や機能を自由にカスタマイズできます。ただし、完全オリジナルのデザインにしたい場合は専門的な知識が必要です。 - SEOに強い
検索エンジンに評価されやすい・認識してもらいやすい仕組みがあり、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも多くの企業で利用されています。 - 簡単なコンテンツ更新
商品情報やお知らせをすぐに更新できるため、最新情報を手軽に反映させることが可能です。これにより、企業サイトの運用やブログ運用との相性が良く適しています。
「WordPressやめた方が良い」とされる理由
WordPressは使いやすく便利な反面、「やめた方が良い」とされる理由は次の通りです。
- サイトの脆弱性
WordPressは世界中で利用されているため、サイバー攻撃の標的になりやすいです。特に、プラグインやテーマが最新状態でないと、脆弱性を突かれる可能性が高くなります。 - 定期的な更新と管理が必要
WordPressの本体やプラグイン、テーマは頻繁に更新されるため、管理者はこまめにアップデートしなければなりません。
更新を怠ると、セキュリティリスクが増大し、サイトが正常に動作しなくなることもあります。 - トラブル時のリカバリーコスト
更新を怠ったことでサイトが停止したり、ハッキング被害を受けると修理や再構築に多大なコストと時間がかかります。また、企業サイトであれば、サイト停止は信頼損失にもつながります。
こうした理由から、WordPressを「やめた方が良い」と警告されることが多いのです。
そのため、定期的にサイトの点検や更新をできないのであれば、リスクを伴うのでやめた方が賢明です。
WordPressサイト運用を怠ると起こりうるリスク
ここでは、ワードプレスのサイト運用を怠ったときにおこるリスクについて説明していきます。
まずは、WordPressの代表的な更新項目をあげます。
- ワードプレス本体:ウェブサイト作成の土台となるシステム部分
- テーマ:ウェブサイトのデザインや見た目を決定するテンプレート
- プラグイン:WordPressに機能を追加する拡張ツール
- PHP:ウェブサイトの動作を管理する言語
- データベース:情報を保管するところ
これらが最新またはワードプレス本体に合わせて更新されていないと、サイトが正常に動作しない、サイトがセキュリティリスクにさらされることになります。
WordPressの管理が行き届いていないと以下のリスクが発生する可能性があります。
1.サイトのハッキング被害
プラグインやテーマ、PHPのバージョンが古いと脆弱性を狙われてサイトが乗っ取られる可能性が高くなります。
特に企業サイトの場合は、顧客データやビジネス情報が漏洩するリスクが伴います。
更新を何年間も怠った結果「サイトがハッキングされた」「サイトが急に壊れてしまった」「プラグインを更新したらサイトが見れなくなった」などの事例を多く見てきました。
2.予期せぬ修理やメンテナンスのコスト
サイト更新や管理を怠ると、予期せぬコストが発生します。
コストがかかる事例
- ハッキングされた際の修理費用
- バックアップを取っていなかったためにサイトを再制作する費用
- 数年行われていなかった更新作業に伴う費用+最新バージョンに合わせた改修費用
3.信頼性の低下
サイトが突然表示されなくなったり、不安定な状態になると、ユーザーからの信頼を損ねる可能性もあります。
企業イメージにも影響を与えるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
こうしたリスクを回避するには、WordPressのセキュリティ対策と日々の管理が不可欠です。
- 注意|放置したサイトをむやみに更新しない!
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長期間放置したWordPressサイトに対して、安易に最新バージョンへの更新を行うとテーマやプラグインが最新技術に対応していないことが原因で、サイトが表示されなくなる場合やエラーが発生する場合があります。
更新の前には必ずバックアップを取得し、対応可能な環境かを確認してから実施しましょう。
静的サイトとの違いと運用方針に合った選択
WordPressのような動的サイトと静的サイト(HTMLベース)のどちらを選ぶかもサイト運用には重要です。

動的サイト(WordPressなど)の特徴
WordPressは記事の追加や更新が容易で、頻繁にコンテンツを発信したい場合に適しています。
しかし、セキュリティリスクが伴うため、日々のメンテナンスが必要です。
静的サイト(HTMLベース)の特徴
静的サイトはHTMLファイルがサーバーに保存され、ユーザーにそのまま配信されるため、セキュリティリスクが低く、長期間メンテナンスが不要な点が魅力です。
ただし、記事やコンテンツを頻繁に更新する場合には不向きです。
また、静的サイトはWordPressのような頻繁な更新は不要ですが、それでも不正アクセスやデータ改ざんのリスクはゼロではありません。
特に第三者が不正にファイルをアップロードするなどの攻撃を防ぐために、定期的なチェックとセキュリティ設定が重要です。
- 選択のポイント
-
企業サイトやコーポレートサイトなど、頻繁な更新が不要でセキュリティを重視する場合は静的サイトが適しています。
一方で、コンテンツマーケティングを行い、定期的な記事投稿をしたい場合には、WordPressのような動的サイトが向いています。

サイト運用方針に応じた選択を行うことで、セキュリティリスクと運用効率を両立させることが出来ます。
適切なサイト運用でWordPressのリスクを最小限にする方法
WordPressを安全に利用するために、次の対策を実施しましょう!
- こまめな更新
WordPress本体、プラグイン、テーマのアップデートを忘れずに行い、常に最新の状態を保ちましょう。 - 定期的なバックアップ
万が一のハッキングやトラブルに備え、定期的にデータをバックアップしておくと、迅速に復旧が可能です。 - セキュリティプラグインの導入
不正アクセス対策として、WordPress専用のセキュリティプラグインを導入することで、攻撃リスクを低減します。 - 専門家のサポートを活用する
管理やメンテナンスに不安がある場合は、外部の専門家に定期的なメンテナンスを依頼することで、安全性を保ちながら効率よく運用できます。
こうした対策を取り入れることで、WordPressのリスクを最小限に抑え、安心して利用することが可能です。
ワードプレスのバックアッププラグインの紹介から復元方法について、以下の記事が参考になります。バックアップ手順がわからない方はぜひ読んでみてください。
まとめ|WordPressは適切な管理がなにより必要!
企業サイトは会社の顔になるため、運営にはしっかりと気を配る必要があります。
ワードプレスは非常に使いやすく、便利ですが、更新や保守が適切に行われないとサイトの安全性や機能に悪影響を及ぼすこともあります。
静的サイトと動的サイトの違いとそれぞれの特徴を踏まえた上で、発信したいサービスに合った選択をすることがポイントです。
もし適切な更新方法がわからない場合は、専門家に任せるのが安心です。
長い目で見ると、これも必要なコストです。
外部に依頼をするのはちょっと…という方は、社内にサイト運用担当者を配置し、定期的にデータのバックアップを取ってサイトの見直しを行ってください。
適切なサイト管理によって、企業の信頼性を保つことができます。
今回は「ワードプレスはやめた方が良い?」について詳しく説明してみました。
今後もワードプレスやサイト制作に関する記事、役立つ情報を発信していきます。また次の記事でお会いしましょう!