契約書は、フリーランスや個人事業主にとって重要な書類です。
業務内容や報酬、納期などを明確にし、双方の権利と義務を明文化することで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
本記事では、業務委託契約書の送付方法と契約書の重要性、そして適切な郵便方法について詳しく解説していきます。
初めてのクライアントとの契約では、私に対する信用がないのはもちろんですが、私自身もクライアントを完全には信用していません。個人だからといっていい加減に扱われたり、「これくらいなら無料でサービスしてもらえるだろう」と思われるのは避けたいと思っています。
また、成果物の納品には長い期間がかかることが多く、案件がクライアントの都合で途中で止まった場合には、それまでにかかった作業工数をきちんと精算いただくために契約書を取り交わし、正当な金額を請求します。
駆け出しのフリーランスには必ず行っていただきたいことの一つとして、この記事をかきました。
業務委託契約書の重要性
業務委託契約書は、以下のような理由で重要です。
- 明確な合意形成
契約書には、業務内容、納期、報酬、支払い条件などが明確に記載されているため、双方が同じ認識を持つことができ、後々のトラブルを防ぐことができます。 - 法律的な保護
契約書は法律的に有効な文書であり、万が一トラブルが発生した場合には、法的に解決を図るための証拠となります。これにより、フリーランスや個人事業主が不当な要求や条件を押し付けられるリスクを減らすことができます。 - 信頼関係の構築
契約書を交わすことで、クライアントとの信頼関係が築かれます。
しっかりとした契約書を用意することで、プロフェッショナルとしての姿勢を示し、クライアントからの信頼を得ることができます。

業務委託契約書の送付手順
実際に業務委託契約書を送付する手順を見ていきましょう。
ここでは、電子契約ではなく紙の契約書でのやり取りについて説明していきます。
1.契約書の作成
まず、契約書を作成します。
テンプレートを使用することで、必要な項目を漏れなく記載することができます。
2.契約内容の確認
印刷前に契約書のドラフト(下書き)を作成し、クライアントに契約内容に問題がないか確認をとりましょう。
3.契約書と送付状の印刷
契約書を作成したら、プリンターで印刷します。送付状例はこちらです。
必ず両者が署名できるスペースを確保しましょう。
クライアントの署名欄に事前に入力しておくと、親切かと思われますが一般的には全てクライアントに記入してもらうため、署名欄は空けておくと良いでしょう。
4.契約書の製本
契約書は何枚も綴られることが多いため、製本テープなどでまとめましょう。
製本テープはAmazonや100円均一などでも購入できます。
ホチキスで止めたあとに製本テープを貼りましょう。これ意外と難易度高く、不器用な私はテープ貼り2回も失敗しているので慎重に!(←私が単に不器用な可能性あり)自信のない方は長めのテープか予備を準備しておきましょう。
5.押印
自分の印鑑を押しましょう。契印は「ページの連続性」、割印は「文書の関連性・整合性」の証明を目的とする押印です。私の場合は、何枚も連なる契約書になりコピーをとらないため、「契印」となります。
契印の場所を指定してあげると親切です。鉛筆などで指定の箇所に〇を描いておくと良いでしょう。
「押印お願いします」と付箋に書くか販売されているスタンプを使用すると便利です。
6.郵送での送付
印刷した契約書を封筒に入れ、クライアントに郵送します。郵送方法は、信書として扱われる「簡易書留」や「レターパック」など安全に届けられる手段を選んでください。
返送用のレターパックや封筒も忘れずに入れましょう!
- レターパックはライトとプラスの2種類ありますが、どっちが良いとかありますか?
-
レターパックライトには厚さ制限があり、3cmまでとなっています。
一方、レターパックプラスは厚さ制限はありません。契約書と返送用封筒(レターパック二つ折り)をレターパックに入れる際、厚みが3cm超える可能性が高いため、レターパックプラスを用意しておくと安心です。
返送用封筒にレターパックを使用する場合には契約書の厚みがさほどないのであれば、レターパックライトで十分です。詳しくはこちらで解説しています。
7.署名の受領と確認
クライアントから署名済みの契約書を返送してもらいます。クライアントが署名した契約書を受け取ったら、内容を確認して契約が正式に成立したことを確認します。
契約書のコピーを保存する必要がない場合は、適切に管理しましょう。

契約書送付時の郵便方法|料金表と特徴の比較
契約書を郵送する際は、重要度に応じて適切な郵便方法を選ぶことが大切です。
「契約書を普通郵便で送ってしまった!」なんてことがないよう注意しましょう!
ここでは「簡易書留」「一般書留」「レターパック」「特定記録」の4つの郵便サービスを比較し、それぞれの特徴、料金、契約書を送る際の適用範囲について詳しく説明します。
1.郵便サービスの比較表
サービス | 追跡 | 受取人手渡し | 補償額 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
簡易書留 | あり | あり | 5万円まで | 350円 + 基本料金 | 手渡し配達。補償付きで安心 |
一般書留 | あり | あり | 10万円まで | 480円(ゆうメール420円) + 基本料金 | 高額取引や重要書類の送付に適している |
レターパックプラス | あり | あり | なし | 一律600円 | 対面配達。補償なし。便利かつ手軽 |
レターパックライト | あり | なし | なし | 一律430円 | ポスト投函。補償なし。軽量書類向け |
特定記録 | あり | なし | なし | 210円(ゆうメールは160円) + 基本料金 | 追跡可能だが、補償や手渡しはなし |
普通郵便は追跡・補償がないため、重要な契約書類の送付には適していません。
2.簡易書留の特徴と契約書送付時の適用
特徴
簡易書留は、契約書を相手に手渡しで届けることができ、5万円までの補償が付きます。追跡機能も備わっており、郵便物の配達状況を確認できるため、安心感が得られます。
契約書送付への適用
信頼関係がすでに確立されている取引先や、少額の取引の場合に適しています。
3.一般書留の特徴と契約書送付時の適用
特徴
一般書留は、簡易書留よりも補償額が高く、10万円まで補償されます。重要度の高い契約や高額取引の際に選択されることが多く、手渡しでの配達が確実に行われます。
契約書送付への適用
特に初めての取引や、高額取引に使用する契約書を送る場合に最適です。
簡易書留、一般書留の詳細はこちら➡日本郵便株式会社 公式サイト【書留】 ページ
4.レターパックの特徴と契約書送付時の適用
レターパックプラス(600円)
- 特徴:対面で受取人に手渡しされるため、重要な契約書類にも使用可能。全国一律料金で便利ですが、補償はありません。
- 適用:軽量な契約書類を迅速に送りたい場合や、信頼できる取引先に最適。
レターパックライト(430円)
- 特徴:ポスト投函型で、手渡しの必要がない場合に便利。補償はありませんが、追跡可能です。
- 適用:軽量な書類や信頼性の高い相手に使うと良いです。
レターパック送付時の注意事項
追跡番号の管理
送付者は控えシールをしっかりと保管し、相手にも追跡番号を伝えられるようにしましょう。
返信用封筒の同梱
返信用の封筒を同梱する際には、二つ折りにしても問題ありません。送付前に自分の宛名を記載するのがマナーです。
レターパックの詳細はこちら➡日本郵便株式会社 公式サイト【レターパック】 ページ
5.特定記録の特徴と契約書送付時の適用
特徴
特定記録は、郵便物の追跡ができるものの、受取人に手渡しされない点や、補償がない点が特徴です。発送の手軽さやコストを重視する場合に使われます。
契約書送付への適用
追跡が可能ですが、手渡しや補償がないため、取引の信頼性が高い場合や比較的重要度の低い契約書の送付に使用されることが多いです。
メリット・デメリット
- メリット:コストが比較的安く、追跡できる。
- デメリット:補償や手渡しがないため、重要な契約書類には適さない。
6.契約書送付に適した郵便方法の選び方
契約書を送る際、取引の重要度や相手方との関係に応じて適切な郵便方法を選びましょう。
- 少額の取引や信頼関係のある相手|簡易書留やレターパックプラスが適しています。
- 高額取引や初めての取引|一般書留を利用し、確実な手渡しと補償を確保しましょう。
- 軽量な書類や手軽さを重視する場合|レターパックライトや特定記録も選択肢になりますが、補償がないことを考慮してください。
契約書を送る際には、取引の重要度や信頼関係に基づいて郵便方法を選ぶことが重要です。簡易書留や一般書留は手渡しと補償があり、特に重要な契約書類に適しています。
レターパックや特定記録は、手軽さとコストのバランスを取りつつ、追跡機能を活用できるため、状況に応じて活用できます。
まとめ
業務委託契約書は、フリーランスや個人事業主にとって非常に重要な書類です。明確な合意形成、法律的な保護、信頼関係の構築など多くのメリットがあります。
しっかりとした契約書を作成し、適切に送付することで、安心して業務に集中することができます。
重要書類となるため、契約書を作成した後は弁護士さんにリーガルチェックを依頼して内容に問題がないか確認してもらうことをお勧めします。
今後も駆け出しのフリーランスの方や個人事業主の方に役立つ記事を公開していきます。
皆さんの毎日が笑顔で満ち溢れますように。また次の記事でお会いしましょう!
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