「30代でWebデザイン未経験だけど、制作会社に入れるの?」と疑問に思っている方、「Webデザイナーになりたいけどなんのスキルもない…」IT業界やweb業界とは全く無関係の業種から転職を考えてる方へ。
PCすらまともに触ることもできない未経験の私が、Web業界に入りデザイナーになるまでの道のりと面接前にやっておくと良いこと・心がけたことを記事にまとめてみました。
- スキルはないけど、未経験からWebデザイナーになれるのか知りたい方
- 未経験Webデザイナーとして転職する場合、面接で気を付けることを知りたい方
- 未経験からWebデザイナーになる道のりや体験談を具体的に知りたい方
未経験からWeb業界へ入るまでの道のり
未経験からWeb業界への転職を目指す際、その道のりは決して簡単なものではありませんでした。
特に、異業種からの転職を考えている方は不安も大きいかと思います。
私自身も接客業からWebデザインの世界へ飛び込んだ一人です。
20代の転職と30代以降の転職では状況が異なるため、より詳しく説明をしたいという意図で、ここからは未経験から制作会社に入るまでの経験談を長々と書いていきます。
具体的なアクションをすぐ知りたい方は、「ウェブディレクターとしてのアプローチ」から読んでみてください。
「え、デザイナーを目指してるのにWebディレクター?思ってたのとちょっと違う。」と思う方もいるかもしれません。
でも、ここで少しだけお付き合いください!
実は、デザイナーとして働く上で、ディレクターの視点やスキルってすごく大事なんです。
たとえば、クライアントとのやり取りやプロジェクトの進め方を理解しておくと、デザインの仕事もスムーズに進められるようになります。
フリーランスでも会社員でも、必ず役に立つ知識なので騙されたと思ってぜひ読んでみてください。
Webデザイナーを目指したキッカケ|接客業からのキャリアチェンジ
私は16歳から28歳まで長い間、接客業(アルバイトのみ)に従事しており、Web業界とは全く縁のない生活を送っていました。
お恥ずかしいことに20代後半までパソコンにほとんど触れてこなかった私ですが、ある時、自分の将来を真剣に考え直し、これからの時代に必要なスキルを身につけたいと強く思ったことがキッカケです。
初めてのWebデザインスクール
元々デザインには興味があり、Web業界にはずっと憧れはありました。
幼いころは模写が好きでしたが、大人になってからはイラストを描く訳でもなく、「デザイン」と呼ばれる仕事が出来たら良いなとふわっと考えていただけで、特別なにもデザインに関する勉強をしてこなかったのです。
25歳の時には、訳のわからない駅前のwebデザインスクールに通ってみました。
Webデザインスクールで挫折
基礎が大事なことは重々承知ですが、パス(線や形を描くためのツール)の扱い方などを中心に永遠と同じ作業をやり続けさせられ、楽しさというよりは苦痛の方が多かったです。
コーディング(ウェブページが動作するようにHTML、CSS、JavaScriptで実装する作業)についても、まるで知識がなかった私は謎の英語の羅列たち(コード)に戸惑い、全く頭に入ってこなかったことを覚えてます。
ここで一度挫折し、
お金を無駄にしました。
余談ですが、当時はillustratorなどのAdobe(アドビ)ソフト(デザイナーに必須のデザインソフト)が購入できてサブスクではなかったんです!
今では考えられない時代。そしてAdobeさん年々高くなっていくし…。泣

転職活動の苦労と成功
PCスキルすらない私が、Web制作会社にいきなり入れる訳がないことだけ理解していたので、最初はIllustrator等のデザインソフトを業務内で触れることができる会社を探していました。
今思うとPCすら触ったことない(タイピングも当たり前にできない)のにデザインソフトを触れる仕事がないかと探してる事自体、リテラシーのなさがうかがえますね。
転職活動中はパソコンすらも所持していなかったため、(←やる気あるのか?やる気はありました!PC買うお金がなかったのです)漫画喫茶で求人を探してみたり、履歴書雛型に入力して印刷したり…。
デザインソフトに触れる会社なら、
「パソコンスキルも上がるし、IllustratorとPhotoshopも触れる。一石二鳥だ!」
とかそんなことを考えていた単純な私です。
そして、求人出ている会社へ電話しまくりましたが、全滅。(電話連絡とかも今考えるとありえない…。)
デザインソフトに触れる機会がある会社となると印刷関連の求人が多かった印象です。
先にお伝えしたようにデザインはもちろん、事務の実務経験がない私は面接すらもさせてもらえませんでした。

実務経験はありますか?



ないです。



すみません。実務経験がないとうちでは難しいです。
それでも諦めずに探し続けていたところ、田舎の製造業を営む会社が面接をしてくれることに…!神……!!
自社で販売しているグッズのEC担当を募集しており、未経験の私をこの神会社が引き取ってくれました。
事務員の経験が全くなかった私にとって、電話やメールの対応は本当に苦労しました…。
28歳になって初めて「ビジネススキル」を学ぶことになり、EC運用やデザイン云々以前の問題でお恥ずかしい。
未経験の私がなぜ採用されたのか?
後々、なぜ未経験の私を採用していただいけたのかと採用担当者に尋ねたところ、「Webの学校に通っていたから。」ということを聞きました。
「あの、ちょっとだけ通っていた学校にも意味があったのだ。」と内心思いました。
そして、「やりたい!」という意思と学んでくれそうな姿勢が伝わったとのこと。
私は当時ポートフォリオの存在すら知らない、社会人経験もないド素人だったので本当に幸運だったのかもしれません。
今は年齢を重ねて考えが変わったせいか、当時のように「とにかくがむしゃらにやる!」ということは出来ないのですが、面接時に「精一杯努力します!」「勉強します!」ということを必死にアピールしたような気がします…(うる覚え)。
そこからの話も長くなるので割愛します。
ここまで読んでくださった方お付き合いいただき、ありがとうございました。
Webデザイナーを目指して職業訓練校に通う
現在、Web制作会社は2社目となります。
ある程度のPCスキル、Illustrator、Photoshopなどデザインソフトが問題なく使用できるようになったタイミングで会社を退職→その後も色々とあり、元々目指していたWebクリエイターの職業訓練校に通うことを決心しました。
この頃には既に34歳です。
職業訓練校ではデザインソフトの扱い方はもちろん、コーディングについてを学びました。
以前勤めていた神会社のホームページは、自社でサイト更新作業を行っていました。
そのため、HTMLやCSSに関して使いこなせるとかそんなレベルには達してませんが、なんとなく仕組みがわかってきたところではあったので、コーディングに対するアレルギー的なものはありませんでした。
以下の記事でWebデザイナー職業訓練校に申し込む方法、倍率、カリュキュラムについてお話してます。


ウェブディレクターとしてのアプローチ
Web制作会社に入社する際、デザイナーやエンジニアとして未経験だと、なかなか厳しいのが現実です(新卒は別ですが…)。
そこで私は、
「まずはウェブディレクターとしてスタートするのもアリ!」だと思っています。
デザイナーやエンジニアは、未経験だと20代前半ならチャンスがあるかもしれないという感覚です。
「WEBデザイナー」の求人を見ていると、「WEBディレクター」の募集も目にしたことありませんか?
実は、ディレクター職はどの会社も人手不足で、あまり人気のない職種かもしれません。


あるある話ですが、上の画像のように「Webデザイナー募集!」と書かれていても、実際にはディレクター業務も兼任させられることが多いんです。
デザイナーとディレクターがきっちり分かれている会社は、むしろ少ない印象です。
デザイナーとして入社しても、ディレクター業務も少なからず行うことになる可能性が高いと考えておいた方がいいでしょう。
ディレクターってどんなことするの?と気になる方は以下のサイト制作における職種についてまとめた記事を参考にしてください。
だからこそ、まずはWebディレクターとしてサイト制作の全体の流れを掴みながら、少しずつ制作側の勉強をしていくのがおすすめです。
ディレクターをやっていくうちに、サイトを見る目も養われてきますし、感覚もつかめるようになります。
さらに、制作会社にはプロのデザイナーやエンジニアがいるので、その人たちから直接学べる環境が整っているのが大きなメリットです!
最初は案件を進めながら、全体の流れを把握することで手一杯かもしれませんが、学べる環境が整ったWeb制作会社に入るのは、デザイナーへの最短ルートだと思います!
なぜディレクターを勧めるのか?
なぜそんなにディレクターを勧めるのか?
5つのメリットにまとめてみました!
- 一度制作会社に入社できれば、次の制作会社にも入社しやすい
Webディレクターの経験は他の制作会社でも重宝されるため、次のステップがスムーズになります。ここで、Webデザイナーを目指すのもアリです。 - ディレクター職は、職種に関係なく採用されやすい
ディレクター業務をこなせると、デザイナーやエンジニアだけでなく、他の関連職種(Web関連職種以外)でも採用される可能性が高くなります。 - プロのデザイナーやエンジニアと直接仕事ができる
制作会社には経験豊富なデザイナーやエンジニアがいるため、学びながらスキルを磨ける環境があります。 - 制作全体の流れを把握できる
ディレクターとしてプロジェクトの全体像を理解すると、プロジェクト全体が見れるワンランク上のデザイナーとしての感覚も自然と養われ、コーダーやディレクター、クライアントとのコミュニュケーションがスムーズになります。 - キャリアの幅が広がる
ディレクター経験があると、将来プロジェクト全体を管理できるようになり、デザイナーのみに留まらない幅広いキャリアパスを選べるようになります。
働き方の柔軟性とディレクターのメリット
フレックス制度、裁量制度、リモートワークを取り入れている制作会社が多いため、希望の働き方に合わせて選べることもメリットですよね。
ディレクターをやると、やはり相当なストレスもかかりますが、クライアントと打ち合わせをし、構成を決め、スケジュール管理をしていくと全体を把握できるようになり、折衝スキルも上がります。
営業さんが常駐している制作会社もありますが、ディレクターがお金周りを任される事も往往にしてあります。
ゆくゆくはフリーランス、個人事業主としてやっていきたい方だとしたら、
学びや成長を考えると最強の環境ではないかと個人的に思ってます。
直請の制作会社は少ないとは思いますが、広告代理店を挟んでない制作会社がオススメです。
面接時に聞ける雰囲気なのであれば、ぜひ確認をとってみてください。
転職活動で気をつけたこと3つ
就職活動、転職活動をするにあたって気をつけておくこと3項目にまとめてみました。
- 履歴書、職務経歴書、ポートフォリオにこれでもかというほどに時間をかける!
- 書類選考通過後は、会社のことを調べまくる!
- オンライン面接の準備を徹底的にする!
1.ポートフォリオ制作
ここでは、ポートフォリオ制作の際、気を付けたポイントなど紹介します。
作品掲載
自分なりにめちゃくちゃ頑張りました。
未経験なので実践はほとんどなかったのですが、以下の作品をゼロから作成し、自分のポートフォリオサイトに掲載しました。
- バナー(EC用、広告用、3サイズ各3種以上)
- PR動画(6本)
- 紙媒体のデザイン(名刺1種、チラシ1種)
- 訓練校の卒業制作で作ったコーポレートサイト(1サイトのみ)
制作のボリューム
訓練校の卒業制作で作成した1サイトと、自身のポートフォリオサイトの制作で精一杯でしたが、制作にもっと時間をかけられる方はどんどん進めてください!その努力は無駄にならないと思います。
コーディングについて
コーディングは全くの初心者でしたが、以下のことを意識して取り組みました。
- 検索キーワードを意識したコンテンツの入れ替え
- CSSを何度も調整して綺麗に整頓
プロならスマートにできるかもしれませんが、私なりに努力しました。「採用側はこんなところまで見てるのかな?」と思うような細かいところまで調整しました。
採用側の視点
WEBデザイナー未経験面接してくれるというのは、どこまで勉強意欲があるのか、やる気があるのかを見られていると思っています。
もし私が採用側でも、そこに重点を置きますし、皆さんも採用側になったら経験者を採用しますよね?
いくらサイトが綺麗でも裏側が整頓されていないと「この人に任せて大丈夫かな?」と心配になってしまいます。
相手はプロで中まで見られているのは当たり前なので、そこを意識してポートフォリオを制作することを強くお勧めします。


振り返りと今後のブラッシュアップ
今見ると、ブラッシュアップできるところがたくさんあるなと感じています。
自分のタイミングで少しづつ手直しをしていきます。Webサイトはいくらでもカスタマイズできるのが本当に良いことですよね!そんなWebの柔軟性が好きです。
2.面接する会社をSNSで調べる
経営理念や会社発信のSNSチェックして、面接時に気に留めてもらうようなキーワードを準備しておく!
私が行った面接時の手法は、X(旧Twitter)で代表者が発信していることについて、話を振ってみたりしました。
そうすることで、その内容について話が膨らみ、空気が和やかになったりするのでオススメです。
もちろん、企業理念がマッチしないところに無理に応募する必要はないですが、実際話してみないとわからなかったりするので、面接してから検討しても良いと思います。
3.オンライン面接の準備
大概IT業界やWEB業界はリモート面接のため、録画アプリを使用して自分の表情や目線、話し方を何回もチェックしました。
リモートだとモニターに映る面接官の顔を見がちですが、相手と目が合うようカメラに目線を向ける練習をしました。
何度も面接をした経験から、かしこまりすぎると(普段から使ってない言葉を使用すると)、話し方にばかり気がいってしまい、言葉に詰まることを理解したので、自分がいつも使う言葉を少し丁寧な言い回しで伝えるよう心がけ、固くなりすぎないことを意識して面接に挑みました!
やはりクリエイティブな職種なので、「真面目な人」というよりも「柔軟性」や「コミュニュケーション能力」、「どれだけ学ぶ意欲があるか?」というところに重点をおいているなと強く感じました。
まとめ
Webデザイナー未経験34歳。
デザイナー志望で応募した会社には1社落ちましたが、未経験デザイナーとして1社、ディレクター未経験として4社から内定をいただきました。
まずは、ディレクターとしてWeb制作会社に入社し、退職→現在はディレクターのスキルを活かしながらWebデザイナーとして二社目の制作会社に勤めています。
全体的なWeb制作の流れも把握したのでフリーランスとしても活動しています。
30代でパソコンすら触ったことがなかった私でも、努力と適切な方法を取れば、Webデザイナーになることができました。
私の体験を通して、同じように挑戦したい方々に「どんな状況からでも可能性はある」ことをお伝えしたいです。
私も未経験の頃は、何から手をつければいいのか分からず、多くの記事を読み漁りました。リアルな声が書かれている記事は本当に役立ちましたね。
今は情報が溢れていて、本当に恵まれた時代だと思います。
「やりたいけど、私には無理かも……」と思っているあなた、大丈夫です!いつからだって始められますし、情報もあらゆるところにあります。独学でも成長できます。
ただ、制作会社に入って現場で働いた方が、吸収スピードが速く、フィードバックも得られやすいので、そこを目標にして今できることから始めてみるのも良いかもしれません。
私もWeb業界に入る前、多くの記事に助けられました。だからこそ、私と同じように不安を抱えている方や、これから転職して頑張りたい!という方の力になれたら嬉しいです。
今後もWeb業界のことや働き方について、記事にしていきます。
皆さんの毎日が笑顔で溢れますように。また次の記事でお会いしましょう!
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