「職業訓練校のWebデザイン科って、未経験でも本当についていけるの?」
そんな不安を抱えていたのは、かつての私も同じです。
30代半ばで前職を辞め、ハローワークの職業訓練をきっかけにWebデザインを学び始めました。
今では制作会社でデザイナーとして働きつつ、フリーランスとしても案件を受けています。
「もう遅いかも…」と感じていた30代・40代・50代の方でも、職業訓練を活用すれば十分にチャンスはあります。
授業についていくコツや、未経験からでも仕事につなげる実践的なステップを、私自身の体験をもとにお伝えします。
スキルなし、未経験からでも、何歳からでもWebデザイナーになれる──。
- 30代、40代、50代からでもクリエイティブ系の職業訓練校に通えるのか知りたい
- 職業訓練校の授業についていけるか不安
- 授業についていくためには、どんな準備が必要か知りたい
中高年でも職業訓練校に通える!
結論から言うと、中高年の方でも
高齢の方でも職業訓練校に通うことは十分可能です!
私が通った職業訓練校は、28歳から62歳までと年齢層が非常に幅広かったです。
クリエイティブな分野なので「きっと若い人ばかりなんだろうな。」と思っていましたが、実際には40代、50代以上の方が過半数でした。
初めは「授業にちゃんとついていけるのかな…。」と不安でしたが、同じような不安を抱える人は多く、年齢関係なく学んでいました。
職業訓練校の中には年齢制限が設けられている場合もあるため、直接ハローワークに行って確認するかハローワークの職業訓練検索サイトで「応募要項」を確認しましょう。


実際の応募方法など具体的な手順、カリキュラムについては以下の記事で紹介しています。


Webデザインの授業についていけない3つの理由
職業訓練のWebデザインやクリエイターコースで、多くの中高年の方が「WEBの授業についていけない!」と感じる理由には、いくつかの要因があります。
ここでは、どんなことにつまづきやすいか、どんなことが難しく感じるのか体験を元にまとめています。自分にあてはまるか確認してみてください。
1.パソコン操作のスキル不足
パソコン操作(ショートカットキーの活用、タイピングなど)に慣れていないと、授業の進行についていくのが難しくなります。
パソコン操作は問題なくできるという前提で入学することが多いからです。


以下、Windows版になりますが、現役Webデザイナーである私が実務で必ず使用するショートカットキーを厳選しました。
もし、PC操作に不安がある方は普段からショートカットキーを活用できているかをチェックするためにご活用ください。
2.技術の進化
テクノロジーは、めまぐるしく日々進化しているため、
最新のツールやトレンドに遅れをとることがあります。
授業で必ず習うのがAdobe(デザインソフト)の操作方法です。
アドビについて:デザインソフトの中では一強
デザインやクリエイティブ系の職業訓練校で使うデザインソフトは、一般的にAdobe(アドビ)です。


ロゴやイラスト制作では、
Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)。
写真の加工やバナー制作などでは、
Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)。
他のデザインアプリや動画編集アプリなど使用した経験があると、似たような機能があるので操作がスムーズにいく場合があります。
Canva:初心者でも簡単にデザインができる!
最近もっとも人気なのが「Canva(キャンバ)」というデザインアプリです。
アドビソフトのように細かい修正は出来ないものの、テンプレートや素材がかなり充実しているので、まずデザインはどういうものなのか気軽に試したい!という方におすすめです。
デザイナーが使うデザインソフトについて、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。無料で使えるツールもあわせて紹介しています。


3.授業のスピード感
職業訓練では短期間で多くの情報を詰め込むため、
授業が速いペースで進むことが一般的 です。
復習したり読み返したりする時間が授業中に含まれていないことが多いため、授業についていけないと感じるケースがよくあります。
入校前からAbobeのデザインソフトに触れた経験がある私も「進行ペースが早いな。」と感じました。
これらの要因が合わさることで、
「授業についていけない」と感じる方が多いようです。
授業についていくための4つの工夫
年齢に関係なく職業訓練校の授業についていくには、工夫と心構えが必要です。
特にWebデザインはパソコンスキルが必須ですが、先に触れたようにパソコン操作に慣れていない方も多かった印象です。
私の隣の席の方(62歳)はパソコン操作に苦労されていて、休憩時間に一緒に復習することがありました。
そんなときに感じたことを、
いくつかのアドバイスとしてまとめます。
1.パソコン操作にとにかく慣れておく
パソコン操作が不安な方 は、職業訓練校に入る前から少しパソコンに慣れる練習を始めておきましょう。
パソコンの基本操作をおさえておくと安心です。
パソコンスキルの基本でもあるタイピングや実務で使う基本的なショートカットキーは最低限覚えておきましょう。
2.授業だけに頼らず自分で調べる癖をつける
授業だけに頼らず、職業訓練校に入る前から自分で調べるクセをつけましょう。
技術系の職種は特に自分で解決するための「検索力」が重要です。


デザインに限らず日常生活で「なぜ?」と思うことがあれば、些細なことでもネットで検索して答えが見つかるまで探すクセをつけると、自分で解決できる力が身につきます。


また、基本無料で利用できる Chat GPT(対話型AI)もどんどん活用しましょう!
わからないことはGPTの補助で大抵解決できます。


- Chat GPT(チャットジー・ピー・ティー)ってなに?
-
GPTは、AI(人工知能)が文章を理解し、生成する技術です。
インターネット上にある膨大な情報から厳選して質問に答えてくれたり、文章を作成してくれます。
翻訳・要約などにも幅広く活用されており、対話型AIの代表例がChatGPTです。
有料機能はさらにパワーアップした回答が返ってきますが、無料でも十分すぎる回答を得られるので「まだ使ったことない」という方は、ぜひ活用してみましょう!
3.授業内容が難しく感じたら復習する
授業内容が難しく感じたら、その日のうちに復習をして理解を深めることが大切です。
WEBデザインは特に実践的なスキルが求められるので、毎日の復習と積み重ねがなによりも大事です。
Webデザイナーの職業訓練校で必ず触れるデザインソフトといえばAdobeソフトです。
授業では、Adobe illustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)の操作は避けては通れません。


Illustrator


Photoshop
Adobeはサブスクリプション契約(毎月または毎年)できますが、ここ数年で価格がどんどん上がっています(泣)。
4.わからないまま進めない
先生に質問する勇気も重要 です。
年齢は関係なく、みんな同じ生徒です。
わからないことは遠慮せずに質問して、わからないまま進めることがないようにしていきましょう。
パソコン操作が苦手であれば、WEBデザイナーやWEBクリエイターコースではなく、一般事務の訓練コースなどを活用して基本的なパソコン操作を学ぶこともおすすめです。
基礎から始めることで、無理なくスキルを身につけることができます。
訓練校で配布された教材と現場目線での注意点


訓練校で配られる教材は、基礎を学ぶためには役立つものが多いですが、実際の現場とは少しズレている部分もあります。
以下、配られた教材と注意しておくとよいポイントをまとめました。
「1冊ですべて身につくHTML & CSSとWebデザイン」これ1冊で十分!
初心者さんがまず読むなら、この本1冊で OK かと思います。
著者の まなさん は現役のデザイナーさんで、デザイナー目線で「どう見せるか」「どう作るか」を考えた内容になっています。
- 写真や図解が多く、視覚的に理解しやすい!
- フォントや余白のバランスも考えられていて、読みやすい!
- HTML / CSS の基本だけでなく、Webデザインの考え方まで網羅
職業訓練校の入校前、私が実際に購入してサイト制作について勉強した本で、教材としても配られた結果、謎の2冊持ちになりました。
初心者向け「1冊ですべて身につくHTML & CSSとWebデザイン」です。
Photoshop や Illustrator の教材は「参考書」程度に
Illustrator や Photoshop の基本機能を知るには、教材は役立ちますが、Adobe製品は 頻繁にアップデートがあり、画面のデザイン(UI)や操作方法が変わることもあります。
そのため、
「基本の考え方を学ぶもの」
「困ったときに見返すもの」
くらいの気持ちで参考書的に持っておくとよいです。
JavaScript の本は初心者から無理にやらなくてOK
JavaScript は Web サイトに動きをつけたり、アプリ的な機能を追加したりするためのプログラミング言語ですが、初心者のうちは 無理に深入りする必要はありません。
「こういう言語もあるんだな」くらいで十分です。
まずは HTML / CSS をしっかり身につける方が大切です。
Dreamweaver は現場ではほとんど使わない
「Dreamweaver(ドリームウィーバー)」は、Adobe社が提供しているWeb制作ソフトです。
昔はコードを書かずにWebページを作れるツールとして広く使われていましたが、現在のWeb制作の現場では ほとんど使われていません。
理由としては、
- 現場では Visual Studio Code(VSCode)など、より軽量で使いやすいコードエディターが主流
- Dreamweaver 独自の操作に慣れてしまうと、他のツールへの応用がききにくい
- チーム開発や最新の制作環境には対応しづらい
などがあります。
「こういうソフトもあるんだな」と知っておく程度で十分です。


ハローワーク職業訓練の目的と運営の仕組み
ほとんどの職業訓練校は国や地方自治体の補助金によって運営されており、
最終的な目標は受講生の就職です。
学校側にとっては「就職者数」が存続の鍵となるため、定員割れを避ける目的で合格のハードルが低いことがあります。
職業訓練校の目的は、「デザイナーとしての成功」を支援することではなく、
あくまで「就職させること」にあります。
そのため、アルバイトやパート勤務であっても、就職先が決まれば学校側にとっては成果とみなされます。
以下の記事では、職業訓練校選びのコツや入校手順 、倍率、実際のカリキュラムについて紹介しているので気になる方はご参考にどうぞ。


訓練校は自分で選択した道|自ら学びましょう
訓練校は自分で選んだ道です。
実際に入ってみて「思っていたのと違う」と感じることもあるかもしれません。
私も「もっと一人一人に丁寧に教えてくれるかな?」と思っていたのですが、実際には授業スピードが早く追いつけないこともありました。
自分のモチベーション次第で授業についていくことは可能です。
- わからないところがあれば家に帰ってからでも調べる!
- 家で復習しているとき、調べてもわからなかったこと、不明点はメモして翌日先生にまとめて聞く!
- その日の授業を振り返り、自分のペースでできる範囲で追いつけるよう取り組む!
もし、自分で調べるのが苦手な方や自己解決が難しいと感じている方は「検索力」を身に付ける事をオススメします。
以下の記事で、「検索力を鍛えるコツ」を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。


こうした工夫をすれば、どんな学校でも成長の機会を得ることができると思います。
まとめ|年齢に関係なく学び続ける勇気を
40代、50代、60代でも訓練校に通うことは可能で、実際に同じような年齢層の人も多く通っています。
それでもやはりスキルを身につけるには、努力は不可欠です。
職業訓練校で学んだことをベースに日々の練習や自分なりの工夫を取り入れて、スキルアップを目指しましょう。
年齢に関係なく、学び続ける姿勢があればきっと大丈夫です!
それでは、またお会いましょう!