HSPは日常生活や仕事において様々なストレスを感じやすく、時には不安症を引き起こすこともあります。
要因として白黒思考などが含まれる「自動思考」が深く関連しているのです。
私もその一人で、特にお昼休憩中など緊張感が高まり、心臓がドキドキしてしまい、リラックス出来ない日々を過ごしてます。
私と同じように不安や緊張感に悩む方々に向けて、HSP特有の反応や対処法、「自動思考」について解説したいと思います。
参考:厚生労働省 | うつ病の認知療法・認知行動療法 (患者さんのための資料)13ページ「認知のかたより」
HSPと不安症に悩む方が感じやすい自動思考の具体例
HSPは、周囲の刺激に対して非常に敏感なため、少しのストレスや緊張感でも心や体に強く影響を受けることが多いです。
このような状況が続くと、不安症を発症することもあります。
HSPについては以下の記事で説明しています。
ここでは、HSPや不安症に悩む方々が陥りやすい思考パターンを比喩表現を用いて解説します。
これらの比喩は、症状をよりわかりやすく伝えるために使用したものであり、決してその思考を軽視したり、読者の皆様を傷つけたりする意図はありません。
すべき思考「頭の中で見張っている“監督者”」

仕事はいつも完璧にこなさなければならないし、完璧でないと気が済まない!徹夜してでも終わらせるべきだ。
「すべき思考」とは、頭の中に厳格な監督が住みついているようなものです。
監督は「もっと頑張るべきだ!」「ルールは絶対だ!普通ならこうするべきだ!」といったヤバい要求を押しつけてきます。
時には、この監督に「ちょっと待ってくださいよ~!」と声をあげてみてください。
思考が厳しすぎると、自分を無理やり厳しいルールで縛り付けることになり、心に余裕がなくなり苦しい状態が続きます。
自分自身に少し優しくなりましょう!「完璧」であることよりも、「満足できる出来」や満足までいかずとも妥協できる点を見出すことからはじめてみると良いです。
「今日はここまで出来た!」と適度に自分を許してあげてください。
アクセルを踏み続ければ、必ず心と体を壊しまてしまいます。
白黒思考「二分法の裁判官」



ダイエットのために毎日ランニングしてたのに、昨日仕事で疲れて寝ちゃったから、ダイエット失敗だ。
「白黒思考」は、物事を極端に白か黒かでしか判断できないんです。
「成功」か「失敗」、0か100かの二択
でしか見ることができず、中間の状態や柔軟な考え方を一切受け入れません。
周りからすると些細な事なのに、その不完全さが致命的な問題だと勝手に思いこみ、過度にプレッシャーを感じます。
自分に対して「グレーゾーン」を許すことが大切です。
すべき思考と似てますが、全てを完璧にこなす必要はなく、時には中間の結果でも良しとする柔軟な思考を取り入れることで、プレッシャーや不安を軽減することができます。
「完璧でなくても大丈夫!」と、自分に許可を与える瞬間を意識して作りましょう!
また、他の人に相談してみるのも意外と良いですよ。自分が「白黒思考」に陥ったときの事例をあげて、あなたならどうするか、どのように考えるかを聞いてみてください。
一度「こうだ!」と決めつけてしまうと、なかなか変えられないのが白黒思考ですが、人の意見を聞くことで視野が少し広がり、「そんな考えもあるのね」と心が落ち着くこともあります。
自己批判「他人の感情吸い取り機」



このプロジェクトがうまくいかなかったのは、私のせいだ。他のメンバーにも申し訳ないことをしたな。
HSPの方は、共感力が高いため、他人の感情を同じ感情として捉えてしまいます。
また、自分ひとりの責任でない状況でも、すべては自分の責任、「自分が出来ないからだ」と心に負担をかけます。
吸い込んだ感情や責任からくるストレスが溜まり続けることで、心が重くなり、自分を追い込むようになります。
「吸い取り機」の電源をオフにすることを心がけてみてください。
自分自身の感情と他人の感情を切り分け、「これは私の責任ではない」としっかり線引きすることも大切です。
「それでは責任転嫁だ!」「人に押し付けているようで嫌だ」更に自分に負担をかける癖があることから、線引きは難しいとは思います。私もそうなので。
他人の感情を吸い込む前に、一呼吸おいて、自分の感情を優先する習慣を身につけてみてください。
決めつけと思い込み「先入観の偏見フィルター」



最近母親から電話こないし、きっと私のことなんて心配していないんだろうな。
自分の先入観や過去の経験、自分の周りだけでの一般論によって、物事を偏った視点で見てしまうことです。
この偏見フィルターを通すことで、現実を正しく見ることが難しくなり、ちょっとした出来事が過度にネガティブに解釈されることがあります。
物事を一方的に決めつけないようにするために、事実を基にした視点を心がけましょう。
感情ではなく、具体的な証拠に基づいて結論を導くことで、先入観にとらわれずに冷静な判断ができるようになります。
「それってあなたの感想ですよね?」と自分自身に問いかけてみてください。
深読み「感情こじらせ解釈屋」



いつも人のことをけなしてばかりいる同僚が私を褒めてきたのは、おかしい。実は皮肉だったのかも。
人の言動を過剰に分析し、感情的な解釈をしてしまうことです。
相手の言葉や行動の背後に隠されたネガティブな意図を探し求めるため、実際の意図よりも感情的な解釈を優先してしまいます。
深読みは自己防衛 ともいわれています。
他人からの評価や意図をネガティブに解釈することで、失望や傷つきを回避しようとする心のメカニズムのため、少しくらいあるのは自然なことですが、このようなことが日常的にあると人間関係が不必要に緊張したり、余計なストレスを感じてしまいます。
他人の言動を深読みしすぎると、誤解が生じやすくなります。
相手の意図を確かめるために、直接コミュニケーションを取ることや相手の発言をありのまま受け入れる習慣を作ると良いです。
また、自分の解釈が過度に感情的になっていないか、冷静に振り返ることも大切です。
先読み「ネガティブ未来予想図」



はじめての仕事でミスをしたら、もう二度とチャンスをもらえないかもしれない。
未来の出来事を悲観的に予測して、最悪のシナリオを想像することです。
こちらも極端な部分もあり、「白黒思考」にも似てますね。
この予想図を描くことで、まだ起こっていない問題をあらかじめ回避しようとするあまり、挑戦する機会を逃してしまうことがあります。
未来の不確実性に対する不安を和らげるために、現実的な視点を持ってみてください。
すべてがうまくいくとは限らないものの、リスクと同時にチャンスも存在しています。
恐れずに一歩踏み出す勇気と「失敗からも学べる!」という姿勢を持ち、ネガティブな思考を変えましょう。
所ジョージさんが言っていました。
「おもしろいことだけじゃつまらない。苦しいことがあるからこそ楽しめる。」らしいです。その発想はなかった・・・。こんなマインドを持ちたいですね。
ここで紹介した思考パターンは、HSPの特性と相まって不安を増幅させることがあります。


不安症への対策とリラックス法
不安症に陥りやすいHSPの方は、リラックスする方法を見つけることがとっても重要です。
私自身、いくつかの対策を試みたことで、少しずつですが 心が楽になる時間を持てるようになった ので紹介していきます。
1.深呼吸やマッサージ
不安を感じたときに、すご~くゆっくり深呼吸をしてリラックスさせることで、心拍数を落ち着けることができます。
首やふくらはぎのマッサージや体を伸ばしてストレッチもしています。
2.温かい飲み物を摂る
カフェインを控えた温かい飲み物を飲むことで、体を内側からリラックスさせましょう。
カモミールティーなどオススメです!
3.マインドフルネス
過去や未来のことを深く考えすぎず、今この瞬間、目の前にあるすぐ取り掛かれるものなどに意識を集中させることで、心が落ち着くことがあります。
4.自己肯定感を高める
日々の小さな成功体験に目を向け、自分を褒める習慣をつけることで、不安を和らげることができます。
私は肯定感を高めるためにインスタを使用して、毎日自分を褒める癖付けをしました。
「今朝、めっちゃ眠かったのに起きれてえらい!」など本当に些細なことで良いんです。
これらの方法を試してみることで、少しずつですが心が落ち着き、不安な気持ちを軽減することができました。


不安を感じたとき私が意識すること
HSPである私が、日常の中で不安を感じたときに意識して自分に言い聞かせているのは、「完璧でなくて良いんだ」ということです。
自分に対して高い期待を持ちすぎると、それがかえってプレッシャーとなり、不安を増幅させてしまいます。
自分に優しく、緩やかに過ごす ことを心がけています。
今回ご紹介した「自動思考」に気づいたら、その思考を無理に変えようとするのではなく、「今、自分が何を感じているか」を客観的に見つめ直す時間を作ってみてください。
「なぜそう思ったのか」「今自分はどんな感情なのか」不安になったり、どうして良いかわからず1人で悩んでるとき、箇条書きでも良いので紙に書き出してみると、頭も整理されて心が落ち着くことが多くあります。
まとめ
HSPであることは、特別な感受性を持ち、深い洞察力を持つ一方で、周囲の影響を受けやすい特性も持っています。
性質なので仕方ないなと日々自分に言い聞かせてはいますが、頭ではわかっていても、その思考に自然となっている自分が嫌いです。
症状が改善されずに続くようであれば、早めに専門医療機関を受診してください。
知らずの間に自律神経失調症やうつ病になってしまうこともあります。
「自分はまだ大丈夫だろう。」と思っている方こそ特に注意が必要です。
今回の記事で少しでも不安な気持ちやモヤモヤした感情を和らげることができたら幸いです。
皆さんの毎日が笑顔で満ち溢れますように。また次の記事でお会いしましょう!