デザインで「視認性(しにんせい)」「可読性(かどくせい)」という言葉を聞いたことはありますか?
この2つの要素はデザインをより良くするために欠かせない要素です。
でも、具体的にはなにが違うのか、どのように使い分ければいいのか、疑問に思ったことがあるかもしれません。
この記事では、見やすいデザインにするための「可読性」と「視認性」についてとその違い、具体例、実際にデザインに活かすためのポイントをわかりやすく解説していきます。
- 「視認性」と「可読性」について知りたい
- 色のコントラストをチェックするツールが知りたい
- 「視認性」と「可読性」の違いがよくわからない
- 見やすいデザインとはどんなものか知りたい
- デザイン初心者で、デザインの基礎知識を知りたい
「視認性(しにんせい)」とは?
視認性(しにんせい)は、文字や情報をパッと見て認識しやすいかどうかを示します。
たとえば、文字と背景の色が似ていて見にくいときは
視認性が低い状態です。
視認性が高ければ、ユーザーが情報をすぐに見つけることができるので、理解も早くなります。
参考図: 低コントラストと高コントラストの色使いの比較図

「視認性」についてよくある質問
- 黒文字と白背景の組み合わせは視認性は高いですか?
-
視認性が高いです。
黒文字に白背景は、最高のコントラストを持つ組み合わせの一つです。
この配色は文字がはっきりと見え、情報が読みやすくなるため、特に印刷物やウェブサイトで広く使用されています。
明るい環境でも目に優しく、長時間の読書でも疲れにくいという利点があります。
黒文字と白背景のボタン例
- グレー文字と薄いグレー背景の組み合わせだと視認性はどうですか?
-
視認性が非常に低いです。
グレー文字と薄いグレー背景は、コントラストがほとんどないため、視認性が非常に低くなります。
この配色では、文字が背景に溶け込んでしまい、読者は内容を読み取るのが難しくなります。
特に高齢の方や視覚に問題がある方にとっては、ますます読みづらくなるため、この組み合わせは避けて、はっきりとした色のコントラストを意識しましょう。
グレー文字と薄いグレー背景のボタン例
コントラストチェックツール|「Colorbase」
初心者の場合、どの色とどの色の組み合わせが「視認性」が良いのかわからず困ることがあります。
そんなときに使えるのがコントラストチェッカー「Colorbase」という無料ツールです。
「Colorbase」の使い方
このコントラストチェックしてくれる「Colorbase」は直感的な操作で視覚的にわかりやすく大変使いやすいので、おすすめです。
文字色と背景色を指定すると、そのコントラストが良いか悪いか(高いか低いか)を瞬時に判断してくれます。

カラーコード(#000000など)で色指定または、カラーピッカー(パレット)からも色が指定できます!

以下のようにカラーピッカーをクリックするとカラーパネルが表示されるので、任意の色を選んで適用させます。
HSV、RBG、CMYKでも色選択が可能です。

こちらも文字色同様にカラーコードまたはカラーパレットから選択して適用させます。

文字色と背景色を指定すると、以下のように判定結果がでます。
「
Pass」となっていればOKです!「
Fail」表示されたら、コントラストが低い状態です。
「可読性(かどくせい)」とは?
可読性(かどくせい)は、文章をスムーズに読むことができるかどうかを指します。
例えば、小さすぎるフォントや行間や文字間が狭すぎる 文章は読みにくいですよね?
これが 可読性が低い状態 です。
逆に、適度な大きさのフォントや適切な行間 で書かれた文章は、
スラスラ読めるので 可読性が高い と言えます。
参考図: 小さいフォントと大きいフォントを比較する

「可読性」についてよくある質問
- ゴシック体と明朝体、どちらが読みやすいですか?
-
ゴシック体です。
「ゴシック体」は、線が太く、文字の形がシンプルで視認性が高いため、読みやすいとされています。
特にオンラインコンテンツやプレゼンテーション資料では、ゴシック体が好まれます。
一方、明朝体は縦線が細く横線が太いデザインが特徴的なので、印刷物や落ち着いたサイトでは洗練された印象を与えることができます。
明朝体は、細い部分が多いため、特に小さなサイズや複雑な背景で「明朝体」を使用すると、視認性が落ちてしまうことがあります。
- 行間が狭い文章と行間が広い文章ではどちらが読みやすいですか?
-
行間が狭すぎても広すぎても見えづらい場合があります。
適切な行間を設けましょう。
行間が狭すぎると、文字同士が密接しすぎて視覚的にごちゃごちゃした印象を与えてしまい内容を追いにくくなります。
対して、行間が広すぎても文の流れが途切れてしまい、どこまでが一文かを把握するのが難しくなることがあります。
読者がスムーズに情報を受け取るために適切な行間を設定することが重要です。
可読性と視認性の違いをはっきり理解しよう
多くの人が混同しがちな可読性と視認性ですが、まったく違うものです。
可読性は「文字を 読んで理解 できるか」、
視認性は「文字や情報が 見てすぐ認識 できるか」
視認性が高いデザインは、訪問者が情報に素早くアクセスできるようにし、可読性が高いデザインは、その情報を読み進める時の快適さを提供します。
視認性をアップさせるデザインのコツ
視認性を向上させるためには、色の選択やレイアウトがポイントです。
- 色のコントラストを強調する(明るい背景に暗い文字など)
- 情報の配置にメリハリをつけて重要な要素を目立たせる
- スペースを適切に使って見やすさを確保する
可読性を高める実践テクニック
可読性を上げるための具体的なテクニックを紹介します。
これを実践するだけで、サイトの見やすさが向上します。
- フォントサイズは14px以上を目安にする
- 行間は1.5倍以上で余裕を持たせる
- フォント選びは視覚的な疲れが少ないものを選択する
まとめ
可読性と視認性は、見やすいデザインにおいてとても大切な要素です。
可読性が高いと、文章がすっきりと読みやすくなり、視認性が高いと情報をすぐに見つけやすくなります。
この二つを上手に組み合わせることで、訪問者にとって心地よい体験を提供できます。
ぜひ、今回紹介したポイントを参考にしてデザインに活かしてみてください。
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